「ロールス・ロイス」と聞いて、誰もが思い浮かべるのは、その圧倒的な存在感と「高級」というイメージではないでしょうか、高額な高級車と聞いて必ず名の挙がるロールスロイスは、なぜあんなに高いのでしょうか?
本記事ではロールスロイスがこれほどまで高価な理由について紹介していきます。
目次
ロールスロイスの価格帯
ロールス・ロイスの各モデルは、それぞれ独自のコンセプトと魅力を持ち、その価格も多岐にわたります。提示する価格は当時の新車ベース価格で、オプションやビスポークを含まない最低価格とお考えください。
ファントム(Phantom)
価格:約6,000万円~
ロールス・ロイスのフラッグシップモデルであり、「世界最高の自動車」と称される存在です。圧倒的な存在感と後席の快適性を極限まで追求したショーファーカーの象徴です。
ゴースト(Ghost)
価格:約3,900万円~
「ポスト・オピュレンス(脱贅沢)」という哲学のもと、よりドライバーズカーとしての要素を強めたモデルです。ファントムよりも一回り小さく、オーナー自身が運転することも意識されていますが、上質さは一切妥協されていません。
カリナン(Cullinan)
価格:約4,500万円〜
ロールス・ロイス史上初のSUVであり、その名は世界最大のダイヤモンドに由来します。いかなる地形でも「魔法の絨毯」のような乗り心地を提供する、究極のラグジュアリーSUVです。
スペクター(Spectre-EVモデル)
価格:約4,800万円〜
ロールス・ロイス初のフルEV(電気自動車)モデルとして、2023年末から納車が始まりました。将来の電動化を見据えた象徴的なモデルでありながら、ロールス・ロイスに求められる静粛性、乗り心地、そして存在感を完璧に継承しています。
レイス(Wraith)
価格:約3,700万円〜
「ファストバック」と呼ばれる流れるようなルーフラインが特徴の2ドアクーペモデル。圧倒的なパワーとダイナミックな走りを持ち、オーナー自身が運転する喜びを追求したモデルでしたが、2023年で生産を終了しました。
ドーン(Dawn)
価格:約4,000万円〜
レイスをベースにしたオープンカー(ドロップヘッドクーペ)モデルです。「オープンエアでの社交性」をコンセプトに、美しいルーフラインと開放感を両立していました。こちらも2023年で生産を終了しています。
ロールス・ロイスが高価格な理由
職人による徹底された手作業
ロールス・ロイスの車両は、工場で生産される「工業製品」というよりも、むしろ「工芸品」と呼ぶにふさわしいほど、驚くほど多くの工程が職人の手作業によって行われています。一般の自動車製造ラインがロボットによる自動化で効率を追求するのに対し、ロールス・ロイスでは、部品点数あたりの手作業の割合が圧倒的に高いのが特徴です。
ボディの溶接:
複雑なボディパネルの溶接は、熟練工の手によって寸分の狂いもなく行われます。
塗装工程:
何層にもわたる塗装は、下地処理から最終の磨き上げまで、ほとんどの工程が手作業です。特に、磨き上げには何十時間もかけられ、鏡のような光沢と深みのある色合いが生み出されます。
レザーの縫製:
厳選された最高級のレザーは、一針一針丁寧に縫い上げられます。ステッチの角度やピッチも完璧に揃えられ、レザーシートの豊かな風合いと耐久性を確保します。
ウッドパネルの加工:
希少な天然木から切り出されたパネルは、職人の手によって正確に研磨され、何層ものクリアコートが施されます。その仕上げは、まるでガラスのように滑らかです。
コーチライン:
ボディサイドに手書きで描かれる細いコーチライン(ストライプ)は、たった一人の職人によって行われ、その完璧な直線はまさに神業です。
製造にかかる時間と人員
製造時間:
一般の自動車が数十分から数時間でラインオフするのに対し、ロールス・ロイスの1台を完成させるには、モデルやビスポークの内容にもよりますが、数ヶ月から半年、あるいはそれ以上の時間を要します。例えば、フラッグシップのファントムでは、約600時間を超える手作業が注ぎ込まれると言われています。
多くの専門職人:
熟練のレザー職人、ウッドパネルの木工職人、塗装のスペシャリスト、溶接工、電気技師など、各分野のトップクラスの専門職人が何百人も関わり、それぞれの工程で最高の品質を追求します。彼らの持つ長年の経験と技術、そして完璧を目指す哲学が、ロールス・ロイスの価格を正当化する大きな要因となっています。
ブランドが持つ「歴史」と「哲学」無形の価値
ロールス・ロイスの価格を決定づけるのは、目に見える品質や性能、そしてビスポークによるパーソナライゼーションだけではありません。その根底には、100年以上にわたり築き上げられてきた揺るぎない歴史と、一切の妥協を許さない独自の哲学が流れています。
創業者のビジョン
卓越したエンジニアであり実業家でもあったヘンリー・ロイスと、貴族出身の自動車愛好家であり優れたセールスマンでもあったチャールズ・ロールス。彼らは1904年に出会い、「最高の自動車を造る」という共通のビジョンを掲げました。
ロイスは技術的な完璧さを追求し、ロールスは顧客のニーズに応えることに情熱を傾けました。この二人の才能が融合することで、彼らは当時の自動車に存在しなかった、圧倒的な信頼性、静粛性、そして比類なき乗り心地を持つ車を生み出すことに成功しました。創業以来、「妥協なき品質」へのこだわりが彼らの哲学となり、それが現代まで脈々と受け継がれています。
時代を超越したステータスシンボル
ロールス・ロイスは、その誕生以来、単なる自動車の枠を超え、富と成功、そして権威の象徴としての地位を確立してきました。世界中の王侯貴族、国家元首、そして各界のセレブリティたちが、その比類なき品格と快適性、そして何よりその存在感ゆえに、こぞってロールス・ロイスを愛用してきました。
公的な場における威厳、プライベートにおける究極の贅沢、その両方を満たすことができる唯一無二の存在として、ロールス・ロイスは「成功者の証」という揺るぎないステータスを時代を超えて保ち続けています。この長きにわたる歴史と、それに裏打ちされた信頼と権威が、ロールス・ロイスの価格に大きな上乗せ価値を与えているのです。
哲学「Strive for Perfection in everything you do」
ロールス・ロイスの製造現場や、顧客との接点において、常に耳にする言葉があります。それは、創業者のヘンリー・ロイスが遺した「Strive for Perfection in everything you do. Take the best that exists and make it better. When it does not exist, design it.」(あらゆるものにおいて完璧を追求しなさい。存在する最高をさらに良くしなさい。存在しない場合は、それを設計しなさい。)という哲学です。
この「あらゆるものにおいて完璧を追求する」という哲学は、単なるスローガンではありません。製品開発の初期段階から、素材選定、製造工程、品質管理、そして顧客への引き渡し、さらにはアフターサービスに至るまで、ロールス・ロイスに関わるすべてのプロセスに深く根ざしています。
小さな部品一つから、何千万円もする完成車まで、すべての段階で妥協を許さず、最高の品質を追求するこの哲学こそが、ロールス・ロイスの「孤高の価値」を支える無形の財産であり、高価格を正当化する最大の理由と言えるでしょう。
まとめ
今回は、ロールスロイスがなぜあれだけ高いのかについて解説してきましたが、単に高級な素材を使用しているだけではなく、職人が魂を込めたハンドメイドや100年以上にわたる揺るぎない歴史、ロールス・ロイスというブランドに「成功者の証」としての無形の価値を与え続けているのです。
ロールス・ロイスの価格は、単なる「贅沢品」のコストではありません。それは、「究極の品質」「唯一無二の体験」「揺るぎないステータス」、そして「完璧への飽くなき追求」という哲学への投資です。この「孤高の価値」を理解すれば、ロールス・ロイスがなぜあれほどまで特別な存在なのかが見えてくるのではないでしょうか。

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