マクラーレン650Sスパイダーは、スーパーカーの真髄を体現する「いつかは手に入れたい」と夢見るオーナーも多い一台。
本記事では「具体的な情報を知りたい」という人に向けて、マクラーレン650Sスパイダーの価格や性能、デザインの魅力などをご紹介します。購入を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
マクラーレン650Sスパイダーの基本情報
登場時期と開発背景
マクラーレン650Sは、2014年3月のジュネーブモーターショーで世界初公開されました。当時のマクラーレンは、市販車部門の黎明期にあたり、初の自社開発モデルであるMP4-12Cを市場に投入していました。しかし、より強い個性と圧倒的な存在感を求める顧客の声に応えるべく、MP4-12Cの基本設計を維持しつつ、デザイン、パフォーマンス、テクノロジーの各面で大幅な改良が施されたのが650Sです。
特にフロントのデザインは、当時マクラーレンのフラッグシップモデルであった「マクラーレンP1」のデザイン要素を取り入れることで、よりアグレッシブかつ洗練された見た目となりました。
650Sシリーズのバリエーション
マクラーレン650Sシリーズには、大きく分けて以下の2つのボディタイプが存在します。
マクラーレン650Sクーペ
固定式のルーフを持つ標準モデルです。クローズドボディならではの高い剛性と、より純粋なドライビング体験を求めるドライバーに選ばれるモデルです。
マクラーレン650Sスパイダー
本記事で解説している、電動開閉式の軽量リトラクタブル・ハードトップを備えたオープンモデルです。クーペのパフォーマンスを維持しつつ、オープンエアの開放感とエキゾーストノートを存分に楽しむことができます。
マクラーレン675LT
「ロングテール(Longtail)」の略称を持つ、650Sをベースにした高性能かつ軽量な限定モデルです。エンジン出力は675PSに向上し、各部の軽量化とエアロダイナミクスの改善が図られています。クーペとスパイダーの両方が限定生産されました。
新車と中古車の価格帯
新車の価格
日本国内における新車価格 |
3,400~3,600万円程度 |
ただし、これはあくまでベースモデルの価格であり、マクラーレン特有の豊富なオプションや、M.S.O. による特注プログラムを利用して内外装をカスタマイズした場合、最終的な価格は更に高額になるのが一般的です。
カーボンファイバー製のエクステリアパーツ、特別なペイント、スポーツエキゾースト、軽量ホイールなどの人気オプションを追加すると、4,000万円を超える可能性もあります。
中古車の価格
日本国内における中古車価格 |
1,600万円前後 |
マクラーレン650Sスパイダーは、すでに販売が終了しているため、現在購入する場合は、中古車市場が主な入手源となります。その価格は、車両の年式、走行距離、内外装の状態、整備履歴、オプション装備などによって大きく上下します。そのため、できるだけ安く手に入れたい場合は、どこかの性能を妥協する必要があります。
マクラーレン650Sスパイダーの性能
エンジン
マクラーレン650Sスパイダーは、マクラーレン独自の3.8リッター V型8気筒ツインターボエンジン「M838T」が搭載されています。このエンジンは、最高出力650PSを7,250rpmで、最大トルク678Nmを6,000rpmで発生します。この「650」という数字が、モデル名の由来にもなっています。
ツインターボチャージャーの採用により、低回転域から強力なトルクを発生し、ターボラグをほとんど感じさせないリニアな加速フィールを実現しています。レッドゾーンは8,500rpmと非常に高く設定されており、高回転域までストレスなくエンジンを回すことができます。
トランスミッション
エンジンのパワーを効率的かつスムーズに路面へ伝えるのが、7速シームレスシフトギアボックスです。このデュアルクラッチトランスミッションは、シフトチェンジにかかる時間が極めて短く、文字通り「シームレス」な加速を実現します。
ステアリングコラムに設置されたパドルシフトを操作することで、レーシングカーを操るかのような直接的なギアチェンジを体験できます。
走行性能
- 0-100km/h加速: わずか3.0秒
- 0-200km/h加速: 驚異の8.4秒
- 最高速度: 329km/h
マクラーレン独自のプロアクティブ・シャシー・コントロールシステムが、パフォーマンスを最大化しています。このシステムは、従来のスタビライザーを使用せず、各ダンパーが独立して油圧で制御されることで、路面状況や選択された走行モードに応じて、ロール剛性やピッチングを最適にコントロールします。
デザインと内装
エクステリアデザイン
マクラーレン650Sスパイダーのエクステリアデザインは、単なる美しさだけでなく、徹底した空力性能の追求から生まれる機能美が際立っています。
フロントエンド
- 当時のフラッグシップ「マクラーレンP1」のデザイン要素を色濃く継承。
- シャープなLEDヘッドライトと大型エアインテークが、アグレッシブかつ洗練された表情を創出。
サイドデザイン
- ドア後方の大きなエアインテークが、V8ツインターボエンジンへ効率的に空気を送り込む。
- 流れるようなボディラインを強調し、機能性とデザイン性を両立。
リアセクション
- LEDテールライトが印象的なV字型に配置。
- パフォーマンスを象徴する左右2本出しのエキゾーストパイプ。
- アクティブエアブレーキが格納され、空力性能に貢献。
スパイダーモデルの魅力
- 軽量なリトラクタブル・ハードトップは、わずか17秒で開閉可能。
- ルーフを閉じればクーペのような流麗なシルエット、開ければオープンエアの開放感と美しい造形美を両立。
- カーボンファイバーの多用により、軽量化と高剛性を実現しつつデザインの自由度も向上。
インテリアデザイン
コックピットのコンセプト
- シンプルかつ機能的なレイアウトで、ドライバーの操作性を最優先。
- 必要な情報が直感的に伝わるよう工夫されたメーターパネルとセンターディスプレイを配置。
- 余分な装飾を排し、運転に集中できる環境を追求。
素材のこだわり
- 上質なレザーやアルカンターラを多用し、高級感を演出。
- 随所に軽量かつ高剛性のカーボンファイバーを奢り、スポーティさと軽量化を両立。
シート
- 長距離移動でも疲れにくい快適性と、激しいGがかかるコーナリング時でもしっかりと身体をホールドするサポート性を兼備。
オープンモデルとしての配慮
- ルーフを開けた際の快適性も考慮されたエアコンシステム。
- 風の巻き込みを抑える工夫が凝らされ、オープン時でも快適性を維持。
- シートヒーターなどの快適装備も充実し、様々な条件下でオープンエアドライビングを楽しめる。
購入を検討する際の注意点
高額な維持費を理解する
- 車検
- 税金
- 任意保険料
- 燃料費
- メンテナンス
- 消耗品
- 修理費用
運用コストとなる維持費は必ず理解しておく必要があります。自動車税や重量税は一般的な車と比較して高額であり、車検費用も専門知識と特殊な設備が必要なため、正規ディーラーや専門性の高い工場での整備となり、相応の費用がかかります。
また、エンジンオイル、ブレーキフルード、クーラントなどの油脂類、そしてタイヤやブレーキパッドといった消耗品は専用品が多く、交換費用が高額な上に交換サイクルも短い場合もあります。
万が一故障した場合には、特殊な部品代が高額なだけでなく、専門的な診断機器や技術が必要となるため、修理費用は高額になる可能性があります。特に、マクラーレン独自のカーボンモノセルシャシーや複雑なリトラクタブル・ハードトップ機構の修理には、多額の費用がかかることを理解したうえで購入を検討しましょう。
中古車購入時は徹底した確認をする
- 走行距離と年式
- 整備履歴の確認
- 車両状態の徹底的なチェック
- ルーフ機構の動作確認
- 必ず試乗をする
- 信頼できる販売店を選ぶ
中古車を購入する際、車の状態の確認は怠らず入念に行いましょう。スーパーカーは乗り方やメンテナンス状況によって状態が大きく異なるため、正規ディーラーやマクラーレン専門店での定期的な点検・整備記録がきちんと残っているか、必ず確認しましょう。
外装の傷や凹み、内装の劣化(シートの擦れやボタンのベタつきなど)を細かくチェックし、エンジンからの異音やオイル漏れ、足回り、電装系の不具合がないかも、可能であれば専門的な知識を持った人と一緒に確認することをおすすめします。
スパイダーモデルの要であるリトラクタブル・ハードトップは、スムーズに開閉するか、異音がないか、そして雨漏りの形跡がないかなどを念入りにチェックしてください。購入を決める前には必ず試乗し、エンジン、トランスミッション、ブレーキ、ステアリングなどに異常がないか、ご自身の運転感覚に合うかを確かめることも重要です。
マクラーレンのような特殊な車両は、スーパーカーの販売実績が豊富な正規ディーラーや専門性の高い中古車販売店で購入することをおすすめします。購入後の保証やアフターサービスが充実しているかどうかも、信頼できる販売店選びの判断基準として取り入れることを推奨します。
まとめ
今回は、マクラーレン650Sスパイダーの価格や性能、魅力についてご紹介してきましたが、この記事が購入を検討する上で役立つ情報となれば幸いです。輸入車買取センターは、カーセンサーにて輸入車の中古車販売を行っております。もしかしたら、あなたの理想の一台が見つかるかもしれません。中古車をご検討されている方は、ぜひ一度ご覧ください。