フェラーリ456GTAという名前を検索すると、「壊れやすい」「維持費が高い」など、ちょっと不安になる言葉がサジェストに出てきて、購入を検討している方は戸惑ってしまうかもしれません。気になっているけど、本当に買っていい車なのか──そう思って情報収集を始めた方も多いのではないでしょうか。
しかし、その“悪い噂”の裏には、誤解されたまま広まった情報も含まれており、実際に所有した人にしかわからない真の魅力があるのも事実なのです。
この記事では、フェラーリ456GTAを中古で購入する前に知っておきたいメリット・デメリット、ネガティブな噂の真相、そして今なお根強い人気を誇る理由について、フェラーリ買取の現場で培った視点から徹底解説します。
目次
フェラーリ456GTAとは?
フェラーリ456GTAは1992年から2003年にかけて製造された、V12エンジンを搭載した2+2のグランドツアラー「456シリーズ」の中でも、オートマチックトランスミッションを搭載したモデルです。クラシックとモダンが絶妙に融合したピニンファリーナによるデザインは、今なお多くのファンを魅了しています。
伝統のFRレイアウトを採用し、5474ccのV12自然吸気エンジンが優雅かつ力強い走りを実現。最高出力はモデルにより数値が異なりますが、436psもしくは442ps、0-100km/h加速は約4.8~5.5秒と、当時のGTカーとしては非常に高性能です。最大4名が乗車できる2ドアクーペでありながら、快適性とスポーツ性能のバランスが取れた一台です。フェラーリの中でも“日常使いができるV12フェラーリ”という珍しいポジションにあります。
フェラーリ456GTAの中古相場はどれくらい?
456GTAの中古相場は、年式・走行距離・整備履歴・外装状態などに大きく左右されます。おおよその価格帯としては、状態が落ち着いている個体で700万円台〜900万円台、コンディションの良い低走行車や希少な仕様では1000万円前後に達することもあります。
昨今のクラシックフェラーリ人気の高まりから、程度の良い個体は確実に値を戻しつつあります。特に整備履歴がしっかりした車両や内装の状態が良好なものは、コレクター層からの需要もあり、価格が安定しています。
また、海外市場と比べても日本国内の個体は「状態が良い」とされ、逆輸出されるケースも見られるため、今後の価格上昇を見越して購入する人も増えています。
中古で噂される「悪い話」は本当?
検索候補にネガティブなワードが出てくると、不安に感じる方もいるかもしれません。しかし、こうした噂には誤解も多く含まれています。
まず、故障しやすいと言われるのは主に電装系や可動部品。
特にパワーウィンドウやエアコン周り、リトラクタブルヘッドライトのモーター部は経年劣化によりトラブルが出やすい箇所です。また、内装のウレタン素材が劣化しベタつくという症状もよく聞かれます。
とはいえ、これらはすべて「年式相応の持病」と言えるもので、信頼できる整備工場でしっかりとメンテナンスされていれば、致命的な欠陥ではありません。適切なケアを施すことで、456GTAは非常に安定した走行性能を保ちます。
それでも選ばれるフェラーリ456GTAの魅力
多くのフェラーリ愛好家が、456GTAに特別な価値を見出す理由があります。
最大の魅力は、V12自然吸気エンジンによる走りの気持ちよさです。滑らかな回転上昇と、レスポンスの良さ、そしてフェラーリらしい高音域のエキゾーストノートは、運転する喜びを存分に味わえます。過剰な演出ではなく、静かに品格を感じさせる走行感が、456GTAの本質とも言える魅力です。
また、ピニンファリーナによるエレガントなボディラインは、時代を超えても色あせることがありません。フェラーリの中でも控えめなデザインでありながら、見る人が見ればすぐにわかる“通好み”の存在感を持っています。
さらに、後部座席を備えた2+2レイアウトは、実用性と趣味性の絶妙なバランスを実現しています。ラグジュアリークーペとしての資質に加え、週末のロングドライブにも対応できる懐の深さも大きな魅力です。
購入前に確認すべき注意点
456GTAを中古で購入する場合、見た目の美しさだけで判断するのは危険です。以下のポイントは必ずチェックしておきたいところです。
- 整備記録の有無と頻度:
オイル交換、タイミングベルト、各種フィルター類の交換履歴を確認しましょう。 - 電装系の作動確認:
パワーシート、エアコン、メーター類、ライト類が正常に動作するか確認が必要です。 - サスペンションの状態:
電子制御サスペンションの不具合は修理費用が高額になるため、試乗時に異音や違和感がないかチェックを。 - ATミッションの状態:
GTAはATミッションを搭載しているため、スムーズに動作するかも要チェックです
また、フェラーリのような高級車は、ディーラーや専門店での購入をおすすめします。個人売買や一般的な中古車店では、整備履歴や保証の不透明さからトラブルのリスクが高まります。
よくある質問(FAQ)
Q. フェラーリ456GTAの維持費はどれくらい?
A. 年間の維持費は、車検・税金・消耗品の交換・保険料などを含めて50万円〜100万円程度が目安です。タイミングベルト交換やATの整備など大きなメンテナンスが発生する年はさらに費用がかかります。
Q. 売却時に査定が付きやすいポイントは?
A. 純正状態を保っていること、定期的なメンテナンス履歴があること、低走行であることが高評価につながります。
他のフェラーリモデルとの比較
フェラーリ456GTAは、他のV12モデルと比較しても独自の立ち位置を持っています。
たとえば、550マラネロはよりスポーティで2シーターの性格が強く、走行性能に特化したモデルです。一方、フェラーリF355はV8エンジン搭載で軽快なハンドリングが魅力ですが、456GTAほどの快適性やラグジュアリー感はありません。
456GTAは「ラグジュアリー」と「フェラーリらしさ」を両立させた希少なモデルであり、どちらか一方に寄りすぎないバランス感が魅力です。
まとめ
フェラーリ456GTAは、確かに年式が経っていることもあり、経年劣化によるトラブルが出る可能性のあるモデルです。しかし、きちんとメンテナンスを行えば多くの問題は未然に防ぐことができ、安心して楽しめる1台にもなります。
そして何よりも、“クルマを操る喜びそのもの”が価値となるのが、フェラーリ456GTAの真の魅力です。中古相場が落ち着いている今だからこそ、品質の良い個体を見極めて選べば、満足度の高いGTカーライフが手に入ります。

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