ドイツ生まれの実用車ブランドとして人気のフォルクスワーゲン(Volkswagen)は、最新の車種には数多くの警告灯が搭載されています。これらの警告灯は、車の状態や異常をドライバーに知らせる重要なサインであり、トラブルの予防や早期発見に欠かせません。
本記事では、フォルクスワーゲン車の警告灯について、色別の意味からよくある点灯パターン、特に多い「EPC警告灯」や「エンジン警告灯」への対処法、さらには修理費の目安までをわかりやすく解説します。
目次
警告灯の色の違いと意味
警告灯は色によって緊急度が異なります。以下は主な色別の意味です。
- 赤色:
直ちに停止して点検が必要です。重大なトラブルの可能性。 - 黄色(または橙色):
走行は可能だが注意が必要な状態です。早めの点検を推奨。 - 緑色・青色・白色:
システムの作動状態を示すもので、異常を示すものではありません。
フォルクスワーゲンの警告灯一覧
赤色の警告灯
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油圧警告
※エンジン内部の油圧が異常に低下している可能性があります。エンジンが損傷する恐れがあるため、すぐにエンジンを停止し、走行を中止してください。 -
エレクトロニックパーキングブレーキが”ON”になっている(走行中点灯)
※電動パーキングブレーキが誤作動している、または故障している可能性があります。走行を続けると制動性能に支障をきたす恐れがあるため、すぐに安全な場所に停車してください。 -
冷却水システム異常(オーバーヒート)
※エンジンの冷却が不十分で、オーバーヒートを起こしている恐れがあります。このまま走行を続けると深刻なエンジン損傷につながるため、ただちに停車してください。 -
高電圧バッテリー異常(EV・ハイブリッド車)
※駆動用バッテリーまたは高電圧系統に重大な不具合が発生しています。感電リスクもあるため、すぐに車を停め、専門のサービスへ連絡してください。 -
AdBlue®充填量が少なすぎる/SCRシステムの故障
※排ガス浄化装置(SCR)に関連する重大なエラーです。残量不足が原因の場合、エンジンが再始動できなくなる可能性もあるため、すぐに補充・点検が必要です。 -
ステアリング警告
※パワーステアリングシステムに深刻な異常がある状態です。ハンドル操作が困難になる危険があるため、速やかに走行を中止し、整備工場への連絡をおすすめします。
黄色・オレンジの警告灯
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- アダプティブクルーズコントロール(ACC)
前走車との車間距離をレーダーで測定し、速度を自動調整して追従走行するクルーズ機能。黄色はシステムが一時的に使用できない状態です。センサー汚れや悪天候による誤作動の可能性あり。 - アンチロックブレーキシステム(ABS)の故障
タイヤのロックを防ぐABSが作動不能になる状態。制動距離が伸びたり、ハンドル操作が効きにくくなるため、早急な点検が必要。 - AdBlue®充填量が少ない
SCR(選択触媒還元)システム用尿素水が不足。
残量ゼロでエンジン再始動できなくなる車種もあるので、早めの補充が必要です。 - エマージェンシーアシスト
ドライバーがハンドル操作をしない等の異常を検知すると、自動で車線内に停車させる安全支援機能です。黄色のランプはシステムが無効、または一時的に作動不可であることを表します。 - ブレーキパッド摩耗
ブレーキパッドの残量が少なくなってきた状態。放置するとローター損傷・制動力低下の原因になるため、早めの点検と交換を推奨します。 - 中央警告灯
黄色の三角+“!”マークで、複数システムの注意喚起をまとめて表示するハブ的インジケーター。詳細は車両情報ディスプレイを確認してください。 - eサウンド(車両接近通報装置)
EVやPHEVが低速時に発する疑似走行音のことです。電動車の疑似走行音が出ない状態で歩行者に気づかれにくくなるため、特に市街地での安全確認を徹底しましょう。 - エレクトロニックパーキングブレーキの故障
電動パーキングブレーキ(EPB)が解除・作動しない状態。最悪の場合、走行不能や動き出し事故の恐れがあります。 - 助手席フロントエアバッグがオン/オフ
これはチャイルドシート装着時にOFFに設定されることがあります。誤設定すると衝突時の安全性能が損なわれるます。 - エンジンオイルシステム
オイル量が少ない、またはセンサーの異常がある可能性。早めにオイル量の確認と補充をしましょう。 - 触媒コンバーター
排ガス中の有害成分を浄化する装置。ランプ転倒時は性能低下やセンサー異常の可能性があります。排ガス規制に関わるため、早期の診断を推奨します。 - フロントアシスト
前方衝突軽減ブレーキ(ARB)が一時的に無効になっています。カメラやセンサーの汚れ、誤検知による場合もあるので状況を確認しましょう。 - レーンキープアシスト “Lane Assist”
高速走行時に車線逸脱を検知し、ステアリング操作を補正して車線中央を維持する支援機能。黄色のランプは車線維持支援システムが使用できない状態です。 - パーティキュレートフィルターにすすが堆積
ディーゼル車のDPFにすすが溜まり始めている状態です。高速道路での一定時間走行で自己再生されることがあります。 - 電力制限
バッテリーの状態や気温によってモーター出力が制限されている状態。EV・PHEVでよく見られ、通常走行には支障のない場合もあります。 - リアフォグランプ
濃霧・豪雨時に後続車へ自車位置を知らせる高輝度赤ランプです。警告が表示されている場合はリアフォグが点灯している、もしくは故障の可能性があります。 - ステアリング
電動パワステやステアリング角センサーの異常を示す警告。重ステ化や操作不良の恐れがある。 - 走行用ライトが完全にまたは一部点灯していない
ヘッドライトやテールライトの一部に球切れや電気系トラブルの可能性。視認性と安全確保のため、早めの対応が望ましいです。
緑色・青色・白色の警告灯
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EPC警告灯とは?詳しく解説
EPCとは「Electronic Power Control」の略で、主にエンジンとアクセル制御に関連する電子制御系統の異常を知らせます。スロットルバルブやセンサー、点火系統などが原因となるケースが多く、再起動で一時的に消えることもありますが、根本的な故障がある場合は再発します。
EPC警告灯が点灯した場合の対処法
- 一度エンジンを停止し、数分後に再始動。
- 消えなければ、最寄りの整備工場またはディーラーでコンピュータ診断を受ける。
- 高速道路走行中に点灯した場合は、安全を最優先にし、無理な運転は避ける。
EPC警告灯の修理費の目安
- スロットルバルブ交換:約3〜8万円
- センサー類の交換(O2、吸気圧など):約1万〜4万円
※車種・年式によって異なります。
エンジン警告灯とは?
エンジン警告灯(チェックエンジンランプ)は、車両の排気ガス制御や燃料噴射、点火系などに異常がある場合に点灯します。
主な原因
- 点火プラグの劣化
- 排気センサー(O2センサー)の不良
- エアフローセンサー異常
- 燃料系の詰まり
エンジン警告灯が点灯したときの対処法
エンジンの再始動で一時的に消えることがありますが、何度も点灯する場合や走行性能に変化がある場合は、早急に点検が必要です。放置すれば、触媒コンバーターの損傷など高額修理につながるリスクも。
修理費の目安
- O2センサー交換:約1万〜3万円
- エアフローメーター交換:約2〜4万円
- イグニッションコイル交換:約2〜5万円
警告灯後の基本対応
- 点灯した警告灯の色とマークを確認
- エンジン停止後、再始動して様子を見る
- 継続して点灯する場合は、整備工場またはディーラーで診断
もし高速道路で赤色の警告灯が点灯した場合、安全な場所に停止し、レッカー搬送を依頼するのが一般的です。
修理費はどのくらいかかる?
フォルクスワーゲンの修理費は、輸入車の中では比較的抑えめですが、電子制御系統やセンサーの不良が多いため、症状によっては高額になることもあります。
修理内容 | 費用目安 |
センサー交換(O2、吸気圧など) | 約1〜3万円 |
EPC・ECU関連の修理 | 約5〜15万円 |
バッテリー交換 | 約2〜4万円 |
ブレーキ関連(パッド・ローター) | 約3〜10万円 |
定期点検や早めの対応を心がけることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
警告灯が頻繁に点灯するなら「乗り換え」も検討を
年式が古いモデルや10万km超の走行車両では、センサーや電装系にトラブルが頻発するケースも。修理費が積み重なる前に、買取や乗り換えを検討するのも賢明です。

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まとめ
フォルクスワーゲンの警告灯は、車の健康状態を知らせる大切なメッセージです。とくに「EPC警告灯」「エンジン警告灯」「ブレーキ警告灯」などは重大なトラブルにつながる可能性があるため、点灯時は軽視せず、適切な対応を行うようにしましょう。
輸入車に精通した整備工場や正規ディーラーでの診断・修理を受けつつ、必要に応じて乗り換えの判断も視野に入れることで、トラブルを未然に防ぎ、安心のカーライフを送ることができます。